小さく産まれた娘のはーちゃん(2021年現在5歳)ですが、一番遅れていて心配なのは発語です。
小児の発語について学ぶために聞いている小児発語のプロ【言語聴覚士なな先生】のVoicyチャンネルの2021年10月前半分をまとめました。
お話すべての書きおこしではなく、キーワードを書き留めていますので、詳しい内容、正しい内容は必ず本編を聞いて下さいね。 やさしい声と語り口で聞いているだけで癒やされます。
それでは、いってみよ~~
なな先生のことばの発達ラジオ 2021年10月分前半

2021/10/3 おうちでは、マスクを外してお口の動きを見せて

新型コロナウイルスの流行で、外を出歩く際はみんながマスクをつけている世の中になって2年近く経ちましたね。
今回はみんながマスクをつけていることの子どもの発語への影響についてのお話です。
新型コロナウイルスのせいでみんながマスクをつけるようになりました。
マスクをつけると、お顔の半分がマスクで隠れてしまいます。
これが積み重なったときの、特にあかちゃんや小さなお子さんの社会性・コミュニケーション能力への影響が4つ考えられます。 マスクによる考えられる影響
- 表情、顔色が見えづらい ⇒ 感情が見えづらい
コミュニケーションは言葉だけではない。特に小さいお子さんには顕著。それを読み取る能力に影響がある。 - マスクで音が遮られ減衰してしまう ⇒ 聞こえる音が小さい
特にサ行・タ行は小さくて高い音なので、マスクで減衰されやすいとされている。
ことばが聞き取りにくい状況でのおしゃべりが続いている - お口まわりの筋肉が弱ってしまう ⇒ 滑舌に影響がある
本来口はお喋りしていないときは閉じて、鼻呼吸するのがスタンダード。
マスクで気が緩んだり、苦しさがあったりして、口呼吸になったりマスクの下で口がぽかんと開いてしまったりしている - 相手のお口が見えないので参考にできない ⇒ 言葉の獲得に困りが生ずる
特に言語発達初期の0歳~3歳のころは、お口の動き・口形を見てお喋りを読み取っている、発音を覚えている部分があると思われる
発語がゆっくりな子どもや耳の聞こえが悪い子どもはその傾向が強い
マスクをすることは感染予防として仕方がありませんが、上記の影響があることは頭に置いておきましょう。
おうちのなかでは、お顔とお口を見せあってお喋りする時間を持つようにしましょう。
オンラインではマスクを取って大丈夫ですので、オンラインでおじいちゃんおばあちゃんとお話するのもいいですね。

みんながマスクを真面目にしているおかげで、ウイルス感染が予防できるという良い面はあるけれど、赤ちゃんの言語発達に影響があるとは思いもよらなかったね

おうちではマスクをとって顔をみながらはーちゃんとお話ししよう
2021/10/6 言葉のシャワーはあかん
なな先生がインスタで「言葉のシャワーはあかん」という投稿をしたところ、大きな反響があったそうです。
どのような意味だったのでしょうか?

今回の内容は、先生と同じように発語の相談に乗っている専門家さん向けになっていますが、親が聞いても参考になりますよ!
なな先生が、「言葉のシャワー」ということばを使ってアドバイスしたことありますか?という質問をインスタでしたところ、3000人中半分くらい「ある」という回答があったそうです。
なな先生の意見としては、「親御さんを追い詰めるような言葉、責められていると感じさせてしまう言葉なので、使わないようにしましょう」ということのようです。
それはなぜかと言うと。
「言葉のシャワーをかけてあげてくださいね」という助言をうける状況とは、子どもの話しはじめがゆっくりで心配という言葉の発達の相談のときです。
お子さんはお話始めがすこしゆっくりということは、お子さんの理解力もすこしゆっくりかもしれません。
理解力がゆっくりなお子さんに言葉をたくさんかけることは、お子さんの理解力を超えてしまう結果になってしまうとも限りません。
話しはじめのころというのは、一度に覚えていられる意味としてのことばの数は1つくらい。
たくさん言葉をかけられても意味としては忘れてしまい、その他はリズムや音楽のように耳に入っている状況です。
意味を伝えたいときは言葉は1~3つ以内におさえて、言葉を使わないやりとりを大切にしましょう。(ことばかけすること自体は大切だが、意味としては伝わっておらず、抑揚と感情の繋がりを獲得している状態)
- アイコンタクト、めくばせ
- 指さし
- しぐさ
- 身振り
- 物の受け渡し
など
言葉を使わないやりとり、ノンバーバルコミュニケーションというのは、言葉の世界へ橋渡ししてくれる大切な能力です。
自分で行動を起こして発語について質問にきてくれるような親御さんは、言葉かけをすることはもう充分行っていることも多いです。
そのような親御さんに「言葉のシャワーをかけてあげてください」というアドバイスだけでは、追い詰めるだけになってしまうことがありますので、それ以外の視点のアドバイスもしていきましょう。

先生と同じ、相談を受ける側の人へのアドバイスの回でした。
「たくさん話かけてあげてください」というのは私も言われたことあるように思います。
思い返してみると、同じ頃に言われて役に立ったアドバイスとしては「混乱しないように、同じもの・同じ人の呼び名を統一するように」がありますね。

僕のことも、名前そのままとか、たっくんとか、にぃにとか、お兄ちゃんとか家でいろんな呼び方をしていたから、はーちゃんが呼びやすいように「にぃに」に統一したんだったね。
今ははーちゃんも「にぃに」って呼んでくれるようになったよ!
2021/10/9 知能検査、発達検査は取ったほうがいいの?
今回は知能検査、発達検査は必ず取ったほうがいいの?というお話です。

娘のはーちゃんは、療育センターで毎年取っています。
いろいろな先生との相談の糸口にもなりますし、
療育センターで取った結果は、療育手帳の申請も使っていますよ。
知能検査や発達検査には、WISC-IV、WAIS-III、田中ビネー、新版K式、遠城寺式、KIDSなど様々な種類があります。
知能を総合的に評価して情報を役立てるために取るものです。
総合的な判断に使うものと、特別にこの部分だけ評価したいというためにとる、専門検査・掘り下げ検査もあります。
知能検査・発達検査でわかること
⇒ スナップ写真のようにそのタイミングでのその子どもの発達の力が、基準に照らし合わせてわかる
取った(撮った)そのときの、ありのままの姿がうつされている(写真もその日のコンディションや向いている方向などにより写真うつりが変わりますね)
検査をとる目的
- 公的支援や福祉制度を使うにあたり、検査結果を提出する必要があるため
- 検査結果を今後の支援の手がかりにするため
どちらの目的で検査をするのかをよくわかっておく必要があります。
目的が1の事務手続きのためとすると、結果の数字のみが通知され中身の解釈までわからないことがあります。

それで、知能検査・発達検査は受けた方がよいのでしょうか?
発達凸凹、ことばの遅れが気になる場合は受けた方がよいです。
公的支援の申請の際に必要になることがあるのがひとつめの理由。
療育機関の先生が支援の計画を立てる際に結果を役立てられるということがふたつめの理由です。
ただし。
親御さんにとっては数字で結果がわかるので、その数字を受け止めるための心の体力が必要です。
心の負担は無視して良い物ではありません。
また、子どもも慣れない場所で大人にあれこれ指図されてテストを受けるので、負担にはなります。
知能検査は、慣れることにより上手になったり、飽き足りして正しい結果が出なくなってしまうので1年期間をあけたほうがよいと言われています。。
1回とったものは複数の場所で結果を活用すると良いです。

うちの子が検査につきあってくれるとは思えないのですが…
それは、普通によくあることです。
いつもならできることなのにテストではやってくれない、やってくれないから結果の点数が下がってしまうということもよくあることですが、親御さんはもやもやしますよね。
検査につきあってくれるようになるまで成長を待つという方法もありますし、検査方法もいくつかありますので、様子をわかってくれている担当の先生のご判断いただくのがよいかもしれません。

はーちゃんはお話が苦手だから、言葉で答えることが必要になる問題が出てくると、そこで点数をまったく取れなくなってしまいます。
質問は理解できていても、身振りでしか回答できなくて…

いつもの療育センターで知ってる先生とやるのと、全然知らない場所で初めましての先生とやるのとでも変わってくるよね~
2021/10/12 指差しはことばのはじまり
赤ちゃんが初めての言葉をお話する直前には必ず指差しが出来るようになるのだそうです。

今回は、指差しが出来ないのであればまずは指差しの段階への練習が必要というお話です
赤ちゃんは初めてのことばをお話する直前に、指差しができるようになります。
発達学では「レディネス」(学ぶ準備が整った状態)といいます
指差しは、年代や文化を問わず人と人がコミュニケーションをとるときの一番簡単な始まりです。
私とママやパパは違う人間なんだという気付きから始まります。
指差しは、注意を向ける、注意を絞るために使う意思疎通の始まりです。
指差しが出るためには、
- 頭の中に同じ物が浮かんでいる「共同注意(ジョイントアテンション)」
- 自分・相手・もの の3者の間で視線の送りあいができる「三項関係」の成立
が必要になります。
指差し準備の確認ポイント
- 子どもの視線の動き
- しっかり目があうかどうか
- 目があった直後に他のものへの目配せのサインに気づくことができるかどうか
- 子どもが持っている物に視線を送ることができるかどうか
- ものを親の顔の近くに持ってきたときに、親の目と物について交互の視線の送りあいをしてくれるかどうか
- 子どもが欲しいものがあるときに、欲しいものに一直線ではなく親の顔を振り返って目が合うことができるかどうか
こういったことを、物のやりとりや遊びを通して練習していきます
指差しの練習方法
- 小さい物をつまんだり引っ張ったり指先で操作をするような玩具を使って、指差しの形が偶然作るよう誘導する
- 大人の指差したほうを見てもらう
- 型はめパズルなどで、こっちだよーと答えを親が指差ししてあげる(指差しの理解)
言語の前の段階で説明が難しいですが、概念の芽生えについてのお話です。

人が言葉を話せるようになる前にも、細かな段階があるのね。
ひとつひとつ階段を上っていかないとだめなのね。

はーちゃんは指差しで全部すませてた時期が長かった気がするなぁ

指差しができない子の練習方法、参考にしてね~~
2021/10/15 なんでも「これは何?」なになに期、どう対応したらいいの?

なになに期、かわいらしいけどお母さんには苦難の時間ですよね。
今回は、なになに期がある理由と質問ができない子への対応方法についてのお話です。
なんでもなに?なに?のなになに期は、通常1歳代後半から2歳代後半くらいにあります。
語彙が知りたい、語彙爆発の時期に関係があり、初めてお話ししてから半年くらい経った時期で一日に5,6個言葉を覚える時期でもあります。
どうして、なに?なに?と聞くか
- 純粋に言葉を知りたい
前提には「物には名前がある」という気付きがある - 言葉と言葉の相対的な意味の関係(ネットワーク)を理解したい
例えば、「はこ」と「ふた」は結びつきが強い。
これはおうちにあるもの、お外にあるもの、身につけるものなど、言葉をたくさん覚えて集まってきた先に「分類」がある - 大人とコミュニケーションを取りたい
答えはもうわかってるんだけど、それをママの口から聞きたい!楽しい!!
なに?なに?という質問が出来ない子どもさんもいるかもしれません。

覚えている言葉は50くらいある気がしますが、語彙爆発が起こっているように思えません。なに?なに?と聞いてくることもないです。
これはどういうことなのでしょうか。
質問の仕方を教えてあげて練習しましょう。
<練習1>
中が見えない箱や袋におもちゃを隠します。
「何かが出てくるよ~~~」と言って目を合わせます
⇒「なに?」「おしえて?」「なんだろー」「みせてー」という言葉が出てくるまで待ちましょう。
自発的に出なければ一緒に言ってみます。
<練習2>
子どもが指差ししてちらっと親の顔を見たときに、「これが何か聞きたいんだな」と思っても、「どうしたのー??」とちょっと物わかりのわるいふりをします。
どうしればよいかわからなければ、「これなあに?」って言うんだよと教えてあげます。
親ならばちらっと見た視線でわかることでも、先生やおじいちゃんおばあちゃんではわからないかもしれません。
そのときにどうやって質問すればよいか、方法を教えてあげるのが今後の子どものためになります。
<練習2>の練習方法について、なな先生は下記の書籍がオススメとのことでした!


はーちゃんは5歳だけど、今まさに「なになに期」よね!
お話し始めてから6ヶ月後くらいというのが、正しい目安かもしれないわね。

いっぱい教えてあげて、小学校行くまでに言葉をたくさんおぼえるといいね

にぃにぃ、これなぁに~??
まとめ: 2021年10月前半の放送5本をご紹介しました
2021年10月前半の放送は5本でした。
おうちではマスクをはずそう、「言葉のシャワー」は親へのプレッシャーの言葉、知能検査の必要性、指差しと発語の関係、なになに期の理由と質問できない子への対応方法ということで、親向けの情報と指導者向けの情報がありました。
娘はすべてがスモールステップなので、発語発達に結びつく段階を1つ1つ学ぶことはできるのはとてもありがたい情報です。
どれも20分弱で聞ける内容です。
Voicyはチャプター割がしてあったり、聞き取れるくらいの早回し(1.2倍~)で再生する機能もありますので、ぜひ先生の優しい生声を聞いてみてくださいね!
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