娘のはーちゃんは0歳~2歳のころ、【飲まない・食べない・大きくならない】が悩みの大半を占めていました。
それが、経管栄養を卒業し、2歳で保育園に入ってから少しずつ食べる量が増えていきました。しかし、身体が小さく運動発達に遅れがあることは誰が見てもわかります。
ですが、飲まない・食べない暗黒期を乗り越えたことにほっとした私は油断していました。
今は身体が小さいんだから、運動発達が遅れててもしかたないよね。
大きくなったらそのうち追いつくでしょ。
残念ながらそんなお気楽な期待は叶わず、次々と問題が発覚するのでした。
3歳:療育手帳を取れるって??
知的発達障害の診断がつきました
3歳になっても娘は発語が出ませんでした。
今まで、ご飯さえ食べてくれればいい、歩いてくれたらそれこそハッピーと育てていた娘ですが、発語がないと今度はどうしてお話してくれないんだろうが悩みとなります。
療育センターで相談しても、原因はわからないし、STを開始するにはまだ早すぎると言われてしまいます。
そうこうしているうちに、療育センターの医師から「知的発達障害」という用語が出るようになりました。
今はもう受け入れていますが、初めて聞いたときは衝撃でした。
「知的障害」
心にずしんとくる、重い言葉です。
療育手帳(愛の手帳)取得へ
療育センターの心理士さんの勧めで新型K式発達検査を受けることになりました。
「姿勢・運動」「認知・適応」「言語・社会」の3領域から評価がされるのですが、もともと運動発達も遅く、3歳発語なしですから、結果はよくありません。
心理士さんから「療育手帳を取れますが、どうしますか?」とお話がありました。
取ります!!
ご家庭によっては、迷ったり悩んだりためらったり反発したり、手帳を取らないという選択をすることもあると思います。
我が家は非常に合理主義。もらえるものはもらっておこう。受けられる支援は受けようということで、取ることにしました。
等級はB2で公共交通機関の料金もかからない娘にはほとんど受けられる支援もありませんが、都内の大学病院の駐車料金が割引になるのがとても嬉しかった記憶があります(セコイと言わないで)。
4歳:SGA性低身長の治療開始
SGA性低身長とは?
3歳の終わり。娘は「SGA性低身長」の診断を受けました。
SGA(Small for Gestational Age) とは、母胎にいる期間(在胎週数)に応じた標準の身長・体重に比べて、小さく生まれることを指します。
SGAの子でも、90%の子は3歳くらいまでに標準的な身長に追いつくのですが、約10%の子は小さいままです。この、3歳すぎても小さいままの子がSGA性低身長症と診断されます。
SGA性低身長症とは
- 標準より小さく生まれて
- 3歳すぎても標準より小さいまま
SGA性低身長症を治療するには成長ホルモンを毎日注射するのですが、希望すればだれでも受けられるわけではありません。
- 出生時の身長・体重
- 3歳以降の身長・体重
- 成長ホルモンの分泌量(入院で検査が必要)
3つの条件をクリアすることが治療を開始することができます。
治療を受けるかの判断は親任せ!?
娘は3つの条件を満たし、健康保険で治療を行うことができることになりました。
さて、ここで困りました。我が家は小児医療費助成を受けられません。
成長ホルモンはとても高額で、健康保険対象でも毎月十万以上かかるという情報もあります。
そして、SGA性低身長というのは命に関わる治療ではなくQOL(Quality of Life:人生の質)を上げるための治療であるため、治療を受けるかどうかは親が決めてよいというのです。
何人かのかかりつけ医に相談したところ、みな言うことが違います。
はーちゃんは成長ホルモンが全く出ていないわけではないから、注射をしてもそれほど効かないかもしれないよ。費用対効果としてどうなんだろう。
慌てなくてももう少し待ってみたらどうですか?背が伸び始めるかもしれませんし。
え、親が決めるんですか?素人の親が?そんな大事なことを??
数か月間悶々としていたところ、お友だちからこんな情報が飛び込みます。
うちのかかりつけの先生が、低身長が専門みたいなの。
待合室にポスターが貼ってあったから行ってみたら?いい先生よ。
内分泌専門の先生との出会い
持つべきものは療育ママ友。良い病院は口コミでのみ知ることができるのです。
教えてもらった先生は内分泌がご専門、すなわちSGA性低身長の専門の小児科の先生でした。
ここで初めて治療のメリット・デメリットと費用について丁寧に教えていただきました。
そして、衝撃の新事実が発覚します。
SGA性低身長治療のための成長ホルモンにも、ジェネリックがある!!
ジェネリックばんざい。ありがとうジェネリック。
月十万と聞いていたお薬代でしたが、開始当初はなんと6,000円程度で済みました(注:小児医療費助成があればゼロです)。
お金の話ばかりで恐縮ですが、まずは医療費が2割の未就学の間チャレンジしてうまく行かなかったら辞めるという選択肢を残すことにしました。
こうして娘は、信頼できる先生のもと4歳から成長ホルモン投与の治療を始めることになったのです。
さいわいなことに、身長は順調に伸び始めました。
4歳半:弱視治療で眼鏡っこに
斜視が気になる赤ちゃんでした
赤ちゃんの頃から斜視が気になる子でした。常に斜めを向いているわけではないのですが、疲れたときなどに黒目が斜めを向くことがあるんです。
気になって、1歳、2歳のころに街の眼科にも行きました。ところが、特に治療できることはないと言われます。
お医者さま
これだけ小さいと今できることは何もありません
様子を見て下さい
そのうち、風邪などでかかりつけの小児科に行くとこんなことを言われるようになります。
お医者さま
斜視に逆さまつげに眼瞼下垂が気になりますね
急がないけど、コロナがおさまったら眼科行ってみてくださいね
なんだか急に病名が増えていませんか。
思いがけない診断名:弱視
保育園からも眼科に行くように言われたこともあり、近所で小児眼科と銘打っているお医者様を改めて探して行ってみることにしました。そこでお医者様に言われてしまいます。
お医者さま
うちの設備ではこの子をフォローすることができません。
眼瞼下垂と弱視が気になるので、大きな病院に行って下さい。紹介状を出します。
弱視?弱視??また、新しい病名がついたので慌てて調べます。
大変です。早く始めないと治らない、治療開始にタイムリミットがある病気でした。
メガネ始めました
紹介状をいただいた小児専門の大病院は予約が3ヶ月後にしか取れず焦りましたが、3ヶ月後に無事診察をうけ、その日に眼鏡の注文まで済ませることができました。
レンズが特注だったので眼鏡の完成まではそれから1ヶ月くらいかかったでしょうか(コロナの影響もあったかもしれません)。
4歳半にしてメガネデビューです。
眼鏡を嫌がるお子さんもいるようですが、娘は眼鏡ができたその日から起きてから寝るまで喜んでかけています。
だって、よく見えるようになってうれしいんだもーん
それだけ今まで見えていなかったのですね。
裸眼でTVやiPadを普通に見ていたし保育園でも生活できていたので全然気づきませんでした。怖いことです。
なお、眼瞼下垂については、視野に支障がなさそうなのでもうしばらく様子をみることになりました。
まとめ:3歳~4歳は病院ハシゴの日々
保育園に入り、ご飯を食べるようになって一安心と思ったのもつかの間。
- 3歳:療育手帳取得
- 4歳:SGA性低身長の治療開始(毎日注射!!)
- 4歳半:弱視が見つかりメガネっこに。
治療方針に迷い、病院探しに奔走した2年間でした。
関わる医師が増えてきて、親が決めないといけないこともどんどん増えていきます。
さあ、来年で保育園も療育センターも終わり。小学校に向けて準備をしないといけませんね。
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