特別支援学級(知的クラス)に通う娘を育てるりょうこです。
特別支援学級担任歴22年のぷーた先生が初著書『特別支援学級の担任になってと言われたら読む本』を出版されました。
今まで知らなかったこと、保護者としてもっと早く知っておきたかったことがいくつも綴られていました。
まずタイトルからびっくりです。
普通級の先生が突然「特別支援学級の担任になって」と言われるんですか??
本書にはすべての教員が特別支援学級の担任になる可能性があることが書かれていました。
2022年2月、文科省から、「すべての教員が採用後10年程度の間に特別支援学級の担任などを2年以上経験することが望ましい」とする報告書の案が示されました。
(『「特別支援学級の担任になって」と言われたら読む本』より引用)
あなたはご存じでしたか?
特別支援学級の担任の先生は、特別な支援が必要な子をサポートするための特別な訓練を積んできた先生ではないのです。正直私は知りませんでした。
一冊通して読み終えると、特別支援学級の子の保護者になるときにもぜひ読んでほしい本だと思いました。本記事では保護者にオススメしたいと思った3つの理由について紹介していきます。
- 特別支援学級の担任の限界がわかる
- 特別支援学級の良いところがわかる
- 先生とよい関係が築けるようになる(はず!)
春からお子さんが特別支援級の小学1年生になる保護者さん、先生とのつきあい方に悩む保護者さんには、特にオススメです!
『特別支援学級の担任になってと言われたら読む本』とは
「特別支援学級の担任になってと言われたら読む本」はKindle本です。紙の書籍はありません。
Kindleをターゲットにした本ですのでスマホで読むことを想定した構成になっており、文章の読みやすさも加わりさくさくと読み進められます。私は1時間かからずに読み終えました。
細かく章立てしてあり、隙間時間に読むのにぴったりの1冊です。
書籍情報
タイトル | 「特別支援学級の担任になって」と言われたら読む本 : ー特別支援学級の担任は大変だけど魅力があるー |
著者 | ぷーた先生 |
発売日 | 2023年3月6日 |
本の長さ | 41ページ |
ぷーた先生について
著者のぷーた先生はこんな方。
- 1999年から25年間、小学校と特別支援学校で勤務
- 勤務2年目から特別支援学級担任一筋
- 新規特別支援学級開設、不登校対策主任、1学級~3学級までの学年主任などなど
私りょうこは本書の出版前のぷーた先生と、サポートブック作成についてやりとりさせていただいたことがありました。子どもの教育に愛と信念のある、経験豊かな優しい先生です。
知り合いの本だからオススメしているの?と思われるかもしれませんが、それは違います。
確かに読もうと手に取ったのは知っている先生が書かれた本だから。
以前お世話になったぷーた先生の初著書なので、「教員向けの本だから関係ないかな?」と思いながら読み始めました。
しかし思いがけず支援級に子どもを通わせる保護者にも役に立つ内容でした。タイトルからは手に取らないであろう、特別支援学級保護者のあなたもぜひ読んでいただきたい一冊です。
「特別支援学級の担任になってと言われたら読む本」保護者も読むべき3つの理由
「特別支援学級の担任になってと言われたら読む本」を保護者も読むと良いと思った点を、3つご紹介します。
- 特別支援学級の担任の限界がわかる
- 特別支援学級の良いところがわかる
- 先生とよい関係が築けるようになる(はず!)
詳しく見ていきましょう。
読むべき理由1 : 特別支援級の担任の限界がわかる
就学前の子どもは保護者が望めば比較的手厚い支援を受けることができました。
一般の幼稚園や保育園、療育センターや児童発達支援センター(通園)に通われていた方もいらっしゃるでしょう。
先生方は学習ではなく生活全般、身辺自立に向け心を砕き、様々なサポートをしてくださいました。
保育園では教室から抜け出してしまう子に対応する専門の先生が付いている子を見たこともあります(今思えば加配が付いていたのでしょう)。
しかし小学校に上がると少々勝手が違ってきます。
フラッと出て行ってしまうお子さんのお母さんが「学校が何もしてくれない!」、「交通安全教室などの行事がある度に呼び出しがあるのが辛抱できない」と怒っている場面に遭遇することとなりました。
怒っていたお母さんは、未就学の頃手厚く辛抱強く付き合ってくれていた先生方とのギャップに驚き、同じようにしてくれない先生へ不満を持っているのだと思います。
私もそのお母さんと話をしたときは、「学校はひどいなぁ」という感想をいだきました。
しかし本書によると、特別支援学級には次の3つの大原則があるそうです。
- 特別支援学級はあくまで小集団(8人が目安)の学級
- 常時個別の対応はできない
- 特別支援学級の子は個別に声かけしなくてもみんなと一緒にいることができる
8人の小集団での教師の指示が理解できるかどうかがポイントで、小集団での指示理解が難しい場合は、一般的には特別支援学校が適切とのこと。
先生は大前提に沿わない子がクラスに居ることで、先生個人の力ではどうしようもない「予算と人手」という問題のなかで、大切なクラスの子どもの安全の保証ができず苦しんでいるというのです。
大切な大前提を、私は特別支援学級の保護者であるにも関わらず全く知りませんでした。
読むべき理由2 : 特別支援学級の良いところがわかる
「お子さんは特別支援学級に通った方がいいですよ」と判定を受け、嬉しい気持になる保護者は少ないはず。
受容できずに普通級を強く希望し、その希望を通す保護者の方もいらっしゃると思います。
我が家の場合は複雑な気持ながらも「やっぱりそうだよねー」という感じでしたが、未だに私の母からは会う度に「はーちゃん(娘)は、普通よ!普通のクラスに入れてもらいなさい!!」と言われています(けっこうストレス…)。
しかし特別支援学級のサポート具合が子どもにちょうど合っている場合、無理に普通級に通わせるよりも成長に伸びが見え、よい結果を生むことがありそうです。娘はこのケースだったと思います。
本書で紹介されていた特別支援学級の特徴として、私が良いと思ったのは次の3点でした。
- 異学年集団であることで、高学年の子どもが低学年の手本になる
- 得意を伸ばして苦手をカバーする考え方が主流
- 担任と補助教員の複数の大人で学級経営が行われる
本書は特別支援学級の担任になるように急に言われた教員向けの本ですので、通常級と特別支援学級の違いの説明が随所に見られます。
これらは特別支援学級に通わせるか迷っている保護者、通わせることが決まった保護者にも有益な情報となっています。
読むべき理由3 : 先生とよい関係が築けるようになる(はず!)
人は期待したとおりにならないと不満や怒りを覚えるもの。
保護者が期待することと先生のできることが食い違っているために保護者と先生との軋轢(あつれき)が生まれるのであれば、先生ができる範囲を保護者が知るのはお互いのためにプラスとなるのではないでしょうか。
残念ながら「先生が個別対応してくれない」という目の前の問題は解決しないかもしれません。
しかし大切な子どもを預ける保護者として、学校や先生との関係性の悪化は得策ではないです。
先生は万能ではなく、同じひとりの働く大人。
本書で先生の立場を知ることで、もしかしたら今こじれてしまっている関係を改善させられるかもしれません。
毎日子どもが接する担任の先生とは、何が我が子のためになるのかを一緒に考え、成長を共に喜んでもらえるよな関係を築いていきたいですね。
まとめ:『特別支援学級の担任になってと言われたら読む本』は支援級保護者にもオススメしたい良書
教員歴25年のぷーた先生の著書『特別支援学級の担任になってと言われたら読む本』を、保護者にもオススメする理由を3つご紹介してきました。
- 特別支援学級の担任の限界がわかる
- 特別支援学級の良いところがわかる
- 先生とよい関係が築けるようになる(はず!)
毎日子どもと接する特別支援学級の先生のこと、意外に知らないと気づかされました。
実は先生は支援を必要とする子のプロではないかもしれない、そして先生自身も戸惑っているかもしれないということ。
お互いの立場を知ると関係は良好となり、親と先生の関係が良いことは子どものためになると思います。
「特別支援学級の担任になって」と言われたら読む本は、「特別支援学級の子の親になって」と言われたら読む本でもありました。隙間時間でスマホから読めますのでぜひダウンロードしてみてください。
本書は580円のKindle本ですが、月額980円で200万冊の本が読み放題のkindle unlimited に加入すると無料(0円)で読むことができます。
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